第1章 「噂」
なんで……今頃死神が出るんだ?
わからない……。
咄嗟に、闇璃を浮かべた。
闇璃は、大丈夫なのか…?
心配だ……。
朝食を食べ……急いで学校に向かった。
確認したかった。
闇璃が、無事かどうかを……。
目の前に、彼女がいた。
無事だった。
俺は、思わずホッとした。
声を掛ける。
「あ、闇璃、おはよう。」
彼女が、振り向いた。
彼女は、笑って挨拶をしたが……どうも引っかかった。
いつもより、元気がないことを……。
「…どうかしたのか?」
俺は、彼女を尋ねた。
「…なんか、噂で…その…。死神が出たという事を……。」
俺は、黙った。
もう噂が、流れていたのか。
彼女や俺にも、不安が残っている。
このまま、殺されるか生き残るか……今は、どっちかだ……。
俺は…死神なんかには負けない。
「…とりあえず、学校に向かおう。」
彼女は、頷いた。
しかし……この時、この事態には俺は気づいていなかった……。
犠牲者が、出たという事を……。
~学校~
校門で、沢山の人が集まっていた。
俺達は、何事かと思った。
そして……。
ある生徒が……。
「昨夜、死神に殺された生徒がいたらしいぜ…。何しろ…1年A組の女子が犠牲者らしいぜ。」
1年A組!?
闇璃のクラスだ……。
すると、彼女は……。
「そ、それは…ほ、本当ですかっ!?」
いきなりの発言に、その生徒は驚いていた。
そして、頷いた。
彼女は、俯いてしまった。
ショックが大きいのだろう。
彼女の頬に、涙が流れた……。
泣いてるのか……。
その時、拓弥が来た。
闇璃を見て……。
「あー!瀞哉!闇璃のことを、泣かせたな~!」
最悪なタイミングだ……。
俺は、溜め息をして軽く拓弥の事を、睨んだ。
「違う…。俺は、泣かしていない。」
拓弥は、黙った。
そして……。
「犠牲者が…出たらしいな…。」
俺は、頷いた。
……困ったな。
こんなにも、早く犠牲者が出るなんて……。
彼女は、涙を拭いた。
「取り乱して、すみません…。瀞哉さん。」
俺は、首を左右に振った。
少しは、落ち着いたかな……。
先生が来て、教室に入るように指示された。