第1章 「噂」
彼女が、戻って来た。
「お待たせしました、瀞哉さん。さぁ、帰りましょ。」
俺は、頷く事しかできなかった。
~帰り道~
闇璃は、俺の顔を覗き言った。
「どうしたのですか?」
焦った……。
俺は、やっぱり…彼女の事を……。
「い、いや。大丈夫だ。最近、小テストが多いな~って…。」
彼女を心配させるわけには、いかない。
迷惑を掛けるだけだ。
彼女も、頷いた。
「確かに、多いですね…。頭がパンクしそうです。」
パンクか……。
俺は、パンク寸前だが…。
自然に自然に……。
すると、彼女は俺の前に出て……。
「それでは、瀞哉さん。今日は、この辺で!」
と言って、お互いに手を振って別れた。
数分歩いて、自分の家に着いた。
「た、ただいま…。」
目の前には、父さんが椅子に座っていた。
そして…。
『よし…。瀞哉!修行を開始するぞ!』
緑の文字が、宙に漂った。
それも、いきなりだった。
休憩なしかよ!?
マジか……。
まぁ…自分で言ったからな、仕方ないか……。
『分かったよ。』
俺も、能力を使った。
溜め息をつき、荷物を置いて地下に向かった。
~地下~
やっぱり…慣れないや……。
すると…。
『瀞哉…これを…。』
何か、長い布に包まれた物を、渡された。
受け取る。
っ!?
お、重い!?
いきなり、ズシンと重く感じた。
開ける……。
『…これって…。』
父さんは、頷き言った。
『…先祖が使っていた、剣だ。』
俺は、驚いた。
布をどかす。
紋章には、金色が入っていた。
後は、全体に緑だった。
抜く……。
思っていたより、長いし重たかった。
『…剣を使って、修行する。』
俺は、頷いた。
とりあえず、俺は剣道部で習った通りに、やってみる事にした。
本当の戦いは、そうはいかないかもな……。
だが…俺の考えは……甘かった……。
~30分後~
俺は、力尽き床に倒れこんだ。
『はぁ、はぁ…。父さん、これハードすぎる…。』
父さんは、腕組みをして言った。
『そんなんじゃ…死神には、勝てないぞ!!…だが、初めてにしては、よかったぞ。』
俺は、驚いた。
父さんが、誉めてくれた。
久しぶりだ。
嬉しい。
扉に向かって歩き始めた。