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懲りない誕生日

第3章 夜這い







カハッ、コホ・・・と、えずくナナシの顔を上げさせると、
エルヴィンは迷わずディープキスをかまし、彼をホールドする。

口の中は精液の味がしたが、それがナナシの口の中だと思うと
全然気にならない。

ナナシは全部飲み込めなかったのか、
顔や口の端にそれが付着しており、
エルヴィンの興奮が一層増した。


―――卑猥だっ!!


綺麗で神聖なモノを汚すという背徳感がエルヴィンに火を付け、
気づけばナナシは腕の中で力無くクタリとしていた。

顔を赤く染め、口の端からは唾液が滴り、
目の焦点がどこを彷徨っているのかトロンとしている姿は
大変可愛らしいと、エルヴィンは満足げに唇を離す。


「可愛いね、私の愛しい人。君から夜這いをしてくれるなんて、
まるで夢のようだ」


濡れた口を手で拭ってやると少し正気に戻ったのか、
ナナシはビクリと身体を揺らした後、エルヴィンを見上げた。


「・・・今日、誕生日なのに何も贈れなかったから・・・
少しでも寝ている内に発散させてやりたかった。本当はもっと
早く来るつもりだったけど、眠くて寝過ごしてしまって
・・・気づいたら日付が変わってしまっていた」


何て健気で可愛らしい言い分なのだろうか・・・。
そんな事を聞かされて何もせずにはいられず、
また濃厚なキスを仕掛けたエルヴィンがナナシの身体を弄ると、
ある事に気づき身体を離す。


月明かりという頼りない光源しかなかったが、
ナナシはスラックスなど穿いておらず、
大きめのシャツ一枚だった。

シャツの大きさからかなり大柄な男の・・・と分析した所で、
ハッと気づく。

ナナシが着ているのはエルヴィンのシャツで、
先日無理矢理ナナシの部屋に置いていったものだ。




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