第2章 本末転倒
「で?鍵は何で持ってるの?」
「私は調査兵団団長であり、ナナシの婚約者だ。
合鍵の一つや二つ持っていても不思議ではないだろう?」
「いや、不思議だよ。だって、貴方を殴り倒して奪ったお金で
ナナシが業者呼んで取り替えたんだもん。
兵団は全っくこの件に関して関係ないよね?なのに、
何で持ってるの?」
「ハンジ・・・この世界を生きる為には人脈を駆使する
必要性がある。愛の為に私はその人脈を躊躇う事なく使うだろう」
・・・つまり、ナナシが鍵を変えた後、
コッソリその人脈とやらを使って合鍵を作らせたという事らしい・・・。
「犯罪じゃねぇかっ!!」
思わず口汚く罵ったハンジにエルヴィンが真顔で
「我々は元から犯罪スレスレで生き延びている」と言ったものだから、
一緒にすんな!と怒りを買い、ハンジは一発殴って去って行った。
去り際「明日になったら、ナナシに言いつけてやるから!」と
言われたのが解せないエルヴィンだったが、
良くわからないが朝になったらナナシに怒られそうというのは
理解したので、また殴られるのかな?と頬を擦った。