第1章 飲まず嫌い
しばらくして、マリはお茶を持ってこようと思った。
「リュカ、私お茶淹れてくるね」
マリが席を立とうとすると、ドアが開く。
「その必要はない」
ティーセットとお菓子を載せたトレイを持ってハルが入ってくる。
(えっ、もしかしてハルさんずっといた・・・?)
マリは恥ずかしくなり真っ赤になった。
ハルが紅茶をサーブし、3人でお茶を飲んだ。
(ハルさんってば、こんなこと思いつくなんて・・・)
「そういえば、リュカ。頭痛いの治った?」
マリはリュカに訊いた。
「うん。・・・薬が効いたみたい」
「よかったじゃないか。これからは君が飲ませろ、マリ」
「えっ」
(口移しで?!)
「とりあえず3日分だ」
ハルがマリの手に頭痛薬の入った薬袋を渡す。
「ハル~・・・」
リュカは諦めたように呟いた。
リュカとマリは赤面するばかりだった--