第1章 飲まず嫌い
「ん~~・・・」
(どうしよう・・・だんだん苦くなってきた・・・)
マリはしゃべれないので2人の間に沈黙が流れる。
「あ~、もう・・・」
意を決したようにリュカがマリに向き直った。
「ごめんね、マリ」
リュカがマリの唇に自分の唇を重ねる。
水と錠剤がリュカの口の中に移り、ゴクンと飲み込む。
「う~・・・やっぱりちょっと苦い」
リュカは再び涙目になっていた。
「口直し」
「えっ」
リュカが驚いてるマリを引き寄せ抱きしめる。
「リュ、リュカ・・・んっ」
リュカは何度も啄むようなキスをする。
ドアの外では、ハルがティーセットとお菓子を持ってきていた。
(口直しに紅茶とお菓子を持って来たが、まだ入らない方が良さそうだな)
ハルはしばらくドアの前で待つことにした。