第2章 夏フェス限定スト全員分書いちゃうぞ!〈石田三成〉
三成は口許に手を宛ながら、しばし考え込んだ後、チラッとを横目で見やる。
パーカーを着ているのに、何故か着る前より、が三成の瞳に眩しく映る。
パーカーの間から覗く白い肌も、着物姿では決して見ることのない、綺麗な脚も……
何より、今はこの場に、たった2人きり。
まるでが、自分だけを、見てくれているみたいで……
その心も躰も、独占しているかのように錯覚する。
じわじわと躰が熱くなってきて、それが夏の暑さによるものなのか、別の何かによるものなのか、よく分からない。
(もしこれが、様の仰るように、ただの夢なら―――……)
「様」
「ん?」
「私も、夢だと思います。夢なら……嬉しいです」
「三成くん……?」
少しだけ切なげで……
けれど、柔らかく口許を綻ばせながら、三成はを見つめた。
そして、想いを言葉に変えていく。
「……せっかくなので、一緒に遊びませんか?海に入って、涼を楽しみましょう」
は驚きながらも、三成からの提案に、嬉しくて心が踊った。
満面の笑みを浮かべながら、「うん!遊ぼ!」と言って立ち上がる。
に続いて三成も立ち上り、そっと手を差し伸べた。