第4章 夏フェス限定スト全員分書いちゃうぞ!〈伊達政宗〉
「……本当に立派な葡萄。種なしだったりして」
「種なし?そんな草木があるわけないだろ。仮にあったとして、どうやって子孫を残すんだ?」
政宗はきょとんとした顔で、の思いがけない言葉に答える。
だが、の予想は当たっていた。試しに皮を剥いて食べてみると、種が1つも出てこないのだ。
「……どうなってるんだ?」
「頭の良い人達が改良を重ねて、種を無くしちゃったんだよ」
「何の為に?」
「食べやすさの追求?」
「…………」
ますますポカンとする政宗に、は思わず笑みを溢す。
そんなを見て我に返った政宗が、むっと眉間に皺を寄せた。
「というか、どうしてそんなに詳しいんだ?、この場所を知っているのか?」
「この場所は知らないけど、今着てる服……着物は500年後の物なの」
「何だって?」
「だから、500年後。私の居た時代の物で、水着って言うの。種なしの果物も沢山あるよ」
「なら、ここは500年後の日ノ本って事か?」
「それは分からないけど……多分……?」
そう言うなり、政宗の瞳が爛々と輝き出した。こういった事は信長の専売特許だが、政宗も面白いもの好きという点ではさして変わらなかったようだ。
政宗はと少し休憩した後、立ち上がり、に手を差し出す。