第4章 夏フェス限定スト全員分書いちゃうぞ!〈伊達政宗〉
「……うん、言われてみれば少し喉が渇いてるかも…」
「だろ?気付かない内に、結構汗も掻いてるし……分かったら、いい子で待ってな」
「うん。ありがとう、政宗」
ゆっくりと浅瀬まで辿り着いてから、政宗がの肩をポンッと優しく叩き、砂浜の向こうに見える木々の方へと歩を進めた。
はその後ろ姿を見送った後、近くにあった木陰に腰を下ろす。
(政宗はどんな時でも格好いいな……凄く頼りになるし、政宗と一緒なら無人島でも生きていけそう)
そんな事を思いながら、数刻前の出来事をぼんやり振り返る。
海に来たのは2人の意志ではなく、気付いたら何故か此処に居て……
何故か水着姿だった。
最初は戸惑ったが、何でも楽しむが基本の政宗は、こんな状況でさえも、やはり楽しむ事を選び、今に至っている。
しばらくして、ガサガサッと木々を掻き分けながら、政宗が帰ってきた。その手には果物と、大きな葉と蔓で作ったらしい容器に、水が並々入っている。
「政宗、おかえりなさい!」
「ただいま。すぐ近くに湧き水があって助かった。お陰で果物を探す余裕も出来たしな」
「美味しそう!桃と葡萄だね」
「こんなに大きな葡萄は初めて見た。桃も……この妙な袴や羽織にしてもそうだが、妙な所だな」