第1章 夏フェス限定スト全員分書いちゃうぞ!〈上杉謙信〉
の額にじわりと滲む汗を、謙信が長い指でそっと拭う。
左右で違う瞳に見つめられて、は躰の内側から熱くなっていくのを感じた。
(目を逸らす事が出来ない。……謙信様の瞳、何だか熱を帯びていて……)
謙信の熱い瞳にあてられて、もじっと見つめ返すと、だんだんと謙信の目元が赤く染まっていく。
「……謙信様?」
「そんな瞳で見つめるな。ただでさえ、そんな愛らしい格好をしているというのに……」
「……っ」
「今のお前は、まるで極上の砂糖菓子のようだ。頭の天辺から足の爪先まで、全て喰らい尽くしてしまいたくなる」
そうの耳元で囁きながら、謙信が甘い溜め息を漏らした。
抱き締めていた腕を緩ませ、右手はそのまま腰に置き、左手で優しくの脇腹を撫でる。
それだけでピクンと肩を揺らす、愛しい恋人を、謙信は愛おしげに見つめ続けた。
まだまだ、今この時を味わいたい……
そう思ったが―――……
再びじわりと滲むの汗に気付き、謙信の目付きが変わった。それまで逸らさなかった視線を周囲へ向けて、徐に立ち上がる。