第1章 夏フェス限定スト全員分書いちゃうぞ!〈上杉謙信〉
国を越え、時を越え
ここは知らない何処かの海辺―――……
「あ、あの……謙信様」
「なんだ?」
「その……いつまで、こうしているつもりですか?」
「…………」
穏やかな海辺に2人きり。
もちろん、自分達の意志で此処へやって来た訳ではない。
気が付いたら此処に居て、何故か2人とも現代の水着姿だった。
謙信は水色がかったパーカーに、黒のサーフパンツ。
は白いワンピースタイプの水着だ。
四半刻前、この場でお互いの存在に気付き、水着を認識した瞬間から、は謙信に抱き締められている。
流石に立ったままでは、が疲れてしまうだろうと気を利かせてくれ、木陰で座っているのだが……
「いつまで?……俺はいつまででも大丈夫だ。真昼のこの陽射しでは、お前の白い肌がすぐに焼けてしまうだろう」
「で、でも……一応木陰ですし。ずっと抱き合っていては、今度は熱中症に……」
「ねっちゅうしょう?」
「え?……あ、そっか。昔はこの呼び方じゃなかったのかも。えーっと……暑さで体調を悪くしてしまう事です」
「ほう、それがねっちゅうしょうか。覚えておこう」
「はい。あの……ですから、少し離れた方が……」
「無理だ。肌の事もあるが、この場に他の者がやって来ないとも限らん。今のお前の姿を、俺以外の者が目にするのは許せん」
「え……?」