第8章 それぞれの片想い
『ほ、本当にィ!?』
沖田の言葉に嬉しさのあまり勢いよく布団から飛び起きた私に沖田は驚いた様子だった
「好きとか嫌いとかじゃない…その…同じクラスの友達としてってことでィ」
『友達!?やったぁ!』
ともだち…
とも…
『そっかぁ友達か…ちょっとは恋愛対象として見てくれてるかなーって思ってたけど…はっきり言われちゃったな』
「…それはっ」
沖田が何か言いかけたけど私は敢えてその言葉を遮った
『もう日が暮れるね、そりゃそっか!私あれからずっと寝てたんだか……あ』
「?どうしたんでィ」
『沖田、私…あれからどれくらい寝てました?』
「大体…4時間くれェだな」
よ、4時間んん!?
『し、しまったアア!!』
「ちょ、オイどこ行くんでィ!!」
私はベッドから飛び降り急いで休憩室を出た
しまったしまったしまった!!
「吉野!お前…どこ行くんでィ!」
走る私の後を沖田も追いかけてくる
ん?私を追いかける沖田!これ超レアじゃない!!?
って今はそんなこと言ってる場合じゃない!!
『私、今日妙ちゃんにバイトのスケット頼まれてたの!』
「はぁ?スケット?」
沖田は呆れたように言って走るスピードを落とす
『そう、妙ちゃん行けないからかわりに私が行くって約束だったの!中学校前で新八くんが多分待ってるはず…』
「メガネも一緒か…」
『え?』
「いや、何でもねー」
そう言って沖田は走る足を止めてどこかへ行った
??まあ…そりゃそっか…。
沖田には関係のないことだもんね…。
仕方ないと思ってそのまま走っていると突然沖田に名前を呼ばれた
「吉野!」
『え?』
沖田は自転車に跨って後ろを指さす
「乗れ……」
沖田…
『っ…うん!』