第8章 それぞれの片想い
あ…なんかふわふわする。
薄らと目を開けるとそこには沖田の顔があった
どうして沖田がここに…?
なんで私…沖田にお姫様抱っこされてるの?
あー…これ夢か。
ふふ、夢の中まで沖田とかどんだけ好きなんだ私…。
気持ちー…夢なら本当に覚めないでほしいくらい…。
夢の中の沖田は私をそっとお花畑の上に寝かせ優しく髪に触れる
目を細め愛おしそうに私を見つめゆっくり口を開く
そして…
「起きやがれメス豚!!」
『ぎゃああああッ!』
私はガバッと勢いよく起き上がった
「あ、起きた」
声のする方を振り向くと椅子に座っている沖田と目が合った
『ぎゃあああ!!鬼ィ!!』
「誰が鬼でィ殺すぞ」
私は急いで布団に潜り込む…あれ、布団?
お花畑は…?さっきの夢?
でも何で沖田がここに…ていうか!
『こ、ここどこ?』
恐る恐る布団から顔を出し沖田に尋ねた
「ここは休憩室。例の件でお前あの場で寝ちまったからここまで運んでやったんでさァ」
『な、なるほど…』
つまりさっきのは全部夢だったのか。
ビックリした!
『じゃあもう一眠りするから2時間後に起こして』
「はぁ!?」
『だって何かさっきすっごく良い夢みたもん!もう一回見たい』
「どんな夢でィそれ」
『お花畑で沖田と私がランデブー』
「はぁ?それお前の頭が勝手にランデブーしてるだけだろィ」
『なんとでもどーぞ!』
「……なぁ、吉野」
『んー?』
「俺がお前のこと何とも思ってねェとか…そんなんねーから」
え…