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空回り【銀魂】

第5章 自覚と苦悩


「とりあえずその辺座っとけ、冷やすモン探す」

『あ、うん』

何だか…いつもの沖田じゃないみたいだ。

私はじっと沖田を見つめる

『髪…結ぼう…』

いつもは横で結んでるから髪を下ろしてるのに少し違和感がある

しばらくして沖田は私の方に振り向いた

「あった。オイこれでいい…か」

『うん!ありがとう』

「そっちの方がアンタらしいや」

私の髪型を見た沖田はそう言って微笑んだ

『フフッ でしょでしょ!』

「まぁ…下ろしてる方が俺ァ好きだけどねィ」

『えっ』

「そもそもお前は嫌いだけどな。」

『ええっ!!?』







『ちょ…痛っ…いだあああ!!!』

「暴れんじゃねーや、動いたらシップが貼れねェだろうが」

『だって痛いんだよ…』

「じゃあ痛くねェようにしてやるよ」

『そんなの絶対無理だよ!』

かれこれこのやり取りが10分以上続いている

少し腫れていた頬は思ってた以上に痛かった

「ハイ、じっとするー」

そう言って沖田に動かないように肩を押さえられた

私はビクビクしながら固く目を閉じる

「……」

くるなら早く!!

「吉野…」

『な、なにっ?』

「俺のこと…好き?」

えっ……。

私が目を開くと同時にピタッとシップか貼られた

そして沖田は「うしっ、完成ー」と言って押さえていた手を離した

私がしばらく固まっていると沖田は言った

「あー…さっきのは深い意味はねェから、気ィ緩めさせるために言っただけでさァ。だから気にすんな」


そのまま沖田はゆっくりと立ち上がった

「近藤さんたちが外で待ってらァ、帰んぞ」

病室を出て行こうとする沖田に私ははっきりと言った

『好きだよ』

沖田はその場に立ち止まった

「……」

『私…沖田のこと…ずっとずっと好き…なんですけどっ』

きっと今の私は物凄く真っ赤な顔をしているに違いない

だってこんなの…ある意味大告白だ

「…」

『だから…そのお付き合いを…』

「バーカ」

な!ば、バカぁ!?
私の頭上にでっかい岩が落ちてきた

「はじめから冗談って言ってるだろィ?ほら、行くぜィ」

私の方を振り返ってそういう沖田に顔がさらに赤くなった

『う…うん』

もしかして私今物凄く恥ずかしい子になってない!?
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