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空回り【銀魂】

第5章 自覚と苦悩


【沖田side】

『好きだよ』

吉野の言葉に俺は驚いてすぐに言葉を返すことが出来なかった

久しぶりに聞いた気がする……あいつの好きって言葉…。

嫌じゃないって思うのは一体何でなんでィ…。

「近藤さんたちが外で待ってらァ。ほら、行くぜィ」

『う、うん』

吉野が出て行った後、俺は壁にもたれズルズルとその場に座り込む

「はぁ……」

何か最近俺…変だ。

以前はあいつの顔見る度にウザイって思ってたのに………いやまぁそれは今もだが。

けどそれらとはまた違った…何か別の感情が出てきた

「一体ェ何だ……」

「あれ、沖田さん?」

一人もんもんと考えていると誰かが俺を呼んだ

「まだいたんですか。もうみんな待ってますよ」

「チッ、ザキか」

「チッて何!?酷くない!?」

俺がしばらく黙っていると山崎はにっこりと笑って言った

「桜ちゃん入院しなくてよかったですね」

「…そうだな」

「しかし彼女もあんだけ重症だったのに…やっぱさすがっすね!」

「明日からまた煩くなると思うと頭が痛くならァ」

「それは沖田さんだからですよー」

そう言って笑うザキ

こいつに聞いてみるか…でも俺からとか言いたくねェな。

「なぁ、山崎」

「ハイ?」

「ちょっと相談があんだけど…」

「え、沖田さんのですか?」

「いや、銀八の…」

「銀八?」

わりィ銀八…。

「なんですか?」

「銀八のことが凄く好きな女がいて、その女は毎日銀八のところに来て愛の告白をするんでさァ」

「ほぅ…」

「けどある日からその女は銀八んとこに現れなくなったんでィ。そして半年後、再び目の前に現れて愛の告白をしたんでさァ

それから…」

「…それから?」

「それから銀八は…」

彼女の笑顔や怒った顔が頭から離れなくなって…

「おまけに変な感情を抱くんでさァ」

「変な感情?」

「そいつといると胸が苦しくなったり、もっと一緒にいたいって思ったり…」

山崎は俺をじっと見つめた

「あ、銀八がだぜィ?」

そう言うと山崎はええっ!と驚いた表情で言った

「それ銀八…わかってないんですか?」

山崎の言い方に少しイラッときたが抑えて話を聞く

「何がでィ…」

「それ、銀八その人のことが好きなんですよ」

は…

こいつは何を…言ってんでィ。
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