第5章 自覚と苦悩
なんだか不思議な気分だ。
みんなと会うのはそんな久々でもないのに…何処か懐かしい感じがした
酷く頭が痛んで気がついたら病室のベッドの上、隣には沖田がいてすごく心配そうな顔で私を見つめていた
一体私に…何があったんだろう。
病院だというのに相変わらす騒がしいZ組
だけど一人だけ…暗い顔をして背中を向け歩いていく女の子
『待っ…美々ちゃん!』
彼女はそのままその場を去って行ってしまった
私はまだ少し痛みの残る体を動かし、みんなの隙をみて急いでその後を追った
『ストーップ!!』
「な、なによ!?」
ようやく階段の近くで追いついた私は彼女の前で手を広げ行く先を塞いだ
『いや何か…元気なかったから…どうかしたの?』
私がそう聞くと「別に」と言って背中を向けた
『別にって…もしかしてあの時のこと責任感じてるの?だったら私が勝手にしたことだから気にしなくても…』
「別に!!」
『あ…じゃあ他に何か悩み事?良かったら私相談のるよ!』
「うるさいッ!」
どうしてそんなに…怒ってるの?
『て、照れなくていいよ!恋の悩み?だったらほら、私沖田しか見てないから全然相談乗れるし…』
そう言うと美々ちゃんは顔を赤くして目を見開いた
パチンッ
そうしてジンジンと赤く腫れる私の頬
私は驚いて目を見開いた
すると美々ちゃんも先程の表情のまま言った
「何もないって言ってるでしょ!そんなアタックしてたって…あんたなんかに沖田くんは振り向かないわよッ!!」
そう言った美々ちゃんの声が酷く切なそうで…。
『美々ちゃ…』
「もうほっといてッ!!」
ドンっと体を突き飛ばされ、私は突然のことでフラついて階段に傾いた
落ちるッ!と思い目を固く瞑った
だけどいつまでたっても痛みは襲ってこなかった
ゆっくり目を開けると目の前には沖田の顔があって、私の体は沖田によってしっかりと支えられていた
『お…沖田ッ!』
「おめーは高い所から落ちる名人かィ?」
そう呆れたように言い沖田は視線を私から美々ちゃんに移した