第1章 1
撮影は順調に進み、今日の分は夕方には撮り終わってしまった。
こんだけ気分が良いんや、ノリ良く撮影が進められるのも、ま、当たり前やろ。
「何や、kiyo。今日はえらい機嫌がええやんか。何か良いことあったんか?」
「・・・別に何も?」
この浮かれ気分を顔に出さないように出来るだけ普通に振る舞うが、自然と顔がニヤけてくる。
(誰にも聞かれとらんと思うけど、一人の時にフフッて笑ってしもた)
気色悪くニヤけた顔を、他のメンバーに見られないように注意しながら、俺は服を着替える為にそそくさとスタジオを後にした。
ほら、俺のニヤつきのせいで疑われてせっかくの唯との天体観測を、奴らに邪魔されんのは嫌やから。
それにな、夕飯の準備もせなあかんし。
──うわぁー、今日の夕飯は何にするかなー。