第51章 アポロジャイズフォーミー
「おや…外したかな?」
墨切が肩をすくめると、龍はゴミでも吐き出すかのように、寧々の体を地面に落とした。
ベチャっ…
そんな音がして
震える爆豪の全身の血は一気に流れ、冷や汗が吹き出た。
「ああああああああぁぁぁ゛!!!!!」
理性を失った轟が、熱量をあげていく。
何メートルにも登る火柱に、墨切はたじろいだ。
ゴポゴポと音を立てて重さを増していく籠手。
爆豪は、跳躍し、墨切に飛びかかって両手を構えた。
「テメェは…絶対……殺す!!!!」
爆豪の両掌からは、体育祭で見せた最大火力より、さらに増大な爆発が起きた。
「許さねぇ……」
それに追い打ちをかけるように、轟の炎も男の体を包む。
あまりの高熱に、足もとのコンクリートが溶け始めた。
「うがっ……!」
炎に弄ばれるように何度も煽られる墨切。
体の刺青が全て焼けただれ、それと同時に、龍は焼けるように消滅した。
ほとんど燃えカスのようになった男は、それでも息はあるようでヒクヒクと震えている。