第6章 ハグミー
爆豪「火ぃ…消しやがった…」
ヨロヨロと立ち上がる爆豪
「おい…
おい!ふざけんなよ!」
意識を失った轟の胸ぐらをつかみ叫ぶ
「意味ねぇって、言っただろうが!
こんな1位なんて…こんなのじゃ、寧々に言えねぇだ…
すべて言い終わる前に、ミッドナイトの眠り香で爆豪は意識を手放した
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「爆豪くん、悔しいだろうね」
『うん』
「なんで轟くん最後、辞めちゃったのかな」
『うん』
「寧々ー?」
『うん』
「ダメだこりゃ…聞いてないや」
「そっとしておいてあげよ」
表彰式が始まった
私は、なんだか見ることが出来なくて
一足先に制服に着替え、教室に戻っていた
『あーーー』
机にうつ伏せて声を出す
ガランとした教室によく響いた
(勝己くんも、焦凍も不本意な戦いだっただろうな)
どう声をかけたらいいか分からず、また大きく溜息を吐く
次々にクラスメイト達が教室に戻ってきた
「口付、テレビ局がお前のこと血眼になって探してたぞ」
「寧々ちゃん、表彰式見なかったの?」
「あの爆豪って奴、拘束されててヤバかったよな」
「そうそう、こんな一位じゃ意味ねー!って叫んでたよ」
『そ、そうなんだ
何かちょっと調子悪くて見れなかった…』
力無く笑う
程なくして先生が来て、ホームルームが終わる
帰ろうと席を立つと「寧々ちゃん…!」
後ろの席のさきちゃんが私の肩を揺する
「ドアのとこっ」
言われて教室の入口を見ると
『勝己くん…』
勝己くんがふてぶてしく立っていた
「帰るぞ」
一言呟いて行ってしまう
え?一緒に帰るってことかな…
とりあえず付いていけばいいのかな…
小走りに付いていくと、勝己くんはバツが悪そうに目をそらした