第5章 レットミー
〜寧々side〜
熱風と共に現れたのは
左側が炎に包まれている焦凍だった
「は?あの人氷だけじゃないの?!」
「すごい個性…」
(焦凍…これが本当の焦凍の個性、焦凍の力なんだね)
そこからはもうほとんど何も見えなくて、すごい爆風と爆音で
観客席に大量の瓦礫が飛んできた
「きゃーーー!」
椅子に隠れるようにしゃがみ込む
恐る恐る、ステージを見ると、煙が晴れて
場外で倒れる緑谷くんの姿が見えた
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ステージは半壊してしまったので、次の試合まで復旧のため休憩が設けられた
「なんか…あのイケメンくんすごいね
爆豪くんもすごいし…寧々の周りどうなってるの?」
『う、うん…』
「これマジにあの2人が決勝ってのも可能性あるよ」
「ひゃーそしたらガチの寧々争奪戦じゃん」
『私は関係ないよ…』
ステージも治り、試合が進んでいく
そしてついに、決勝を迎えた
それは誰しもが想像していた2人、
圧倒的な個性を持つ
爆豪勝己と轟焦凍だった
「やっぱそうなるよね」
『勝己くん…焦凍…』
「テレビカメラも何台か寧々の方向いてるし」
「寧々争奪戦だもんね、本人は全く自覚ないけど(笑)」
寧々に聞こえないように友人2人は声を潜め言う
舞台にはお預けをくらったオオカミのような爆豪
爆豪「さっさとテメェをぶっ殺して、寧々をオレのもんにする」
轟「それはさせない」
開始の合図と同時に轟が氷柱の攻撃を仕掛ける
爆豪は凍結を爆破で避けつつ、爆発で掘り進め突破
爆豪「強ぇえ個性故に、攻め方が大雑把だなァ!
舐めてんのか?バァカ!!」
轟の頭を掴み投げ飛ばす
轟は氷壁を作り場外を回避
すかさず爆豪がとびかかる
轟は左手で爆豪を掴むが、
何も攻撃せずに投げ飛ばす
爆豪「ふざけんな…オレじゃァ力不足かよ…」