第37章 ファイトミー
はだけた姿の寧々に対して、轟が乱れているのは前髪と表情だけ
「好きな時にイけ…」
頬に唇を押し当てながらそう呟かれた
下着から染み出した愛液がうっすらとシーツを濡らして
奥歯がカチカチ音を立てて絶頂の訪れを教えている
『ぁあっ!も、こんなの…』
熱い息が唇から漏れて、涙がまぶたを濡らした
腰が浮かび上がって刺激を乞う
気づけば、太ももまで濡れて体を震わせている
両手で口を押さえつけているけれど、その指の合間から漏れる喘ぎ声が愛しい。
「指…気持ちいいか?」
フーフーと荒い息が返事の代わりに返ってくる
気持ち良さそうな寧々を見ているだけで果ててしまいそうなほどの快感が押し寄せて胸を締め付けた。
寧々の身体が何度かのたうって
轟の手のひらを温かい水気が濡らす
首を持ち上げていた身体が、シーツの上へと力をなくして落ちていった。
激しく反り返った男根が熱い
ベルトに手をかけると、腰にぶら下げている救命用の用具入れがかちゃりと音を立てた。
脱がせた下着は水分を含んで、やけに重く
どこに置くか悩んだけれど、ポケットの中に適当に突っ込んだ
あてがうと、粘膜同士が触れ合って、くちゅっとキスをしたみたいな音を出した。
許可も取らずに腰を落とす
寧々の体は電気を流したみたいにビクッビクッと震え、
ため息のような甘い声が漏れた
「溶けてるみてぇにドロドロだな」
『あぅ…ん♡』
トロンとした眼に、半開きの唇
半分まで沈んだところのカリの上に、
つぶつぶとした肉裏が擦れる
そこを何度かコツコツと突くとキュウキュウ締まって気持ちがいい
『あ゛ん…♡』
プリーツごと掴んだ腰が震えた
「声…抑えれねぇか」
声だけ抑えたところで意味はないかもしれない
肉の当たるパンパンという音
腰を引くたびにぬちゃりと泡立つ音
薄いカーテンにつつまれただけの秘密を共有する
久しぶりの寧々にしがみつくみたいに爪を立てて腰を落とす
『う…ぁっ…』
俺が中にいる間は
寧々は俺だけのものだ。
そう思うと、また少し硬さを増していった。