第37章 ファイトミー
会いてぇんだ…
顔がみてぇ
声が聞きてぇ
それから、、、
いつの間にか、たくさんの欲望を持つようになっていた胸を握る。
その欲望を、叶える為に犠牲にして来たのは
あいつの意思と身体だと気付いたのは
寧々に拒否されて、やっと
記憶喪失の、寧々の勘違いを利用して
あいつの処女を奪った。
あいつが、爆豪を選ぼうとする度に
ねじ伏せて、繋ぎ止めて
それでも、好きだと言ってくれる
寧々の優しさが
全てに免罪符を貼ってくれていた。
今、もし
寧々が爆豪を選ぼうとしてんなら
俺は引くべきなんじゃねぇのか?
あるべき場所に、あるべきものが収まった
そう思って、潔く
なんて、できるはずがねぇ
とっくに狂っちまった歯車だ
正しい場所なんて、あってもねぇもんだ
ただ、爆豪を選ぶってあいつが言うなら
最後に一言…
「俺が勝ったら、寧々に会わせてくれ…」
謝りてぇんだ。
泣かせちまったこと、嫉妬に任せて
爆豪の目の前で抱いちまったこと
大切にできていなかった事
それでも、俺は愛してたって
この愛は、嘘じゃねぇって……
「…わかった」
寧々の愛の印が付いた喉が
そう返事をする
お前は、優しいやつだと思う。
いっつも、口は悪りぃし、悪人ヅラしてっけど
「…爆豪、ありがとな」