第2章 ルックアットミー
A組がヴィランに襲われて、応急処置の手伝いをしたって
話をしてから、兄ちゃんの様子が少しおかしい
あれを期に、学食で顔を合わせるとA組の人とお話するようになったんだけど、
お兄ちゃんはA組が嫌い?みたいで
特に爆豪くんの話になると、笑顔なのに真っ黒いオーラを出してくる
なんでだろう
今日もまた、学食へ
私はお弁当だけどね
みんなで話していると
「おい、クソ女」
爆豪くんが話しかけてきた
『爆豪くん、どうしたの?』
「用がなかったらいけねーのかよ」
さっそくキレてる爆豪くんの後ろには上鳴くんと、切島くん
上鳴くんはニヤニヤしながら私に、よくわからないジェスチャーを送ってくる
ん?爆豪くん?ハート?
え、上鳴くん、爆豪くんのことが好きなの?そっちなの?
「あ゛?何見てんだ?」
振り返る爆豪くん、ジェスチャーをやめて知らぬ顔を決め込む上鳴くんと、切島くん
『別に用はなくてもいいんだけど…』
(でも用がないのに私に話しかけてくるメリットって無いような…)
そう言い淀んでいると
「あっれぇーー?寧々ここに居たんだー
待ったー?」
お兄ちゃんがすっごい笑顔なのに何故かすごく怖い顔でやってきた
『あ、おにぃ…むぐ!』
なぜかお兄ちゃんに手で口を塞がれる
「えー?なにー?A組の人が、ぼ く の 寧々に何か用ですかぁー?」
「あ゛?誰だテメェ、このクソ女が誰のだって?」
明らかにイライラしながら爆豪くんもお兄ちゃんに突っかかる
どうでもいいけど手をどけてほしい、息苦しい
「B組の物間ですーー
天下のA組さんからしたらB組の生徒なんて眼中になしですかーそうですかー」
「はぁ?」
お兄ちゃんは、私の隣の席に座り、おもむろに自分のお弁当を開け始める…え?ここで食べるの?
爆豪の目に映ったのは、中身も盛り付けも全く同じ二つの弁当箱
寧々のものと、物間のものだ
「は?なんだよそれ…」
キャラに似合わず間の抜けた声を出す爆豪に
物間はドヤ顔で言う
「んー?まぁ、バカでもわかるよねぇ(笑)」
爆豪は顔を真っ赤にして、何も言わず立ち去った
程なくして遠くの方で爆発音が聞こえた
「いただきまーーす」
(お兄ちゃん何でこんなに上機嫌なんだろう?)