第1章 ドントタッチミー
個性が初めて発動した時のことは覚えている。
口付けをして、次の口付けまでその人の時を止める母
触れた人の個性を、一時的にコピーする個性の父
2人の間に生まれた私は、その両方を掛け合わせた個性を持って生まれてきた。
個性名『キスミー』
相手の能力をコピーし続けることが出来る
発動条件はキス
解除条件もキス
しかもほっぺとかではない、口付けに限定される
こんな最悪な発動条件の個性が
初めて発動したのは4歳の時、
発動相手は初恋の男の子
子供なりに将来を約束し、誓いのキスをした時だった
その男の子というのも、どこの誰だか
今となっては顔も思い出せないのだけれども
悪い人から、私を守ってくれた同い年くらいの男の子
「オレはヒーローになる!」
そう言ってたことを、やけに鮮明に覚えている…
「おまえはオレのおよめさんになれ!」
うん!と答えて約束のキスをした後
彼の個性は私のモノに
あの日以来個性を使ったことは無い
というか絶対に使いたくない!