第6章 ミツバ編(原作沿い)
翌日の夜、作戦を開始する。
言われていた時間に通信機を付ける。
「よし。」
副長は俺が伝えておいたルートで
蔵場の元へ忍び込めたようだ。
『お前を逮捕する。神妙にお縄につけ。』
通信機から副長の声が聞こえる。合図だ。
俺は船に設置した爆弾の
スイッチを入れた。
直後、爆発音が何度か響き、船がブクブクと
海へ沈んでいく。
それに気付いた副長から通信が入る。
『神崎、テメェ…』
「証拠は全部揃ってます。
副長の船を潰す命令もこなして、
加勢もできる方法はこれしか
思いつかなかったものでして。」
『チッ……好きにしろ。』
コンテナから下に降りて
乱闘が始まった副長に刀を抜いて加勢すると
同時に副長は俺に背中を向ける。
ピタリと背中がくっついた。
周りは何10人もの敵勢。
負けるわけにはいかない。
「てめぇ、新入りの山田!」
「クソ、スパイだったのか!!」
敵の罵声が聞こえるが、無視だ。
「…いくぞ。」
「はい。」
聞こえるのは副長の掛け声だけで十分だ。
乱闘途中に銃声が響き、何かが転ぶ音がする。
振り返ると副長は足を撃たれたようで
右足からは血がダラダラと流れていた。
「副長!!」
このままではマズイ。
立ち止まっていてはスナイパーの格好の的だ。
副長の肩を持ち、コンテナの影に逃げ込む。
「大丈夫ですか?」
「……るせェ。」
大丈夫ではなさそうだ。
やはり2人での突破は無理だったか…。
副長を守りながら戦うにも敵が多すぎる。
かといって副長を見捨てるわけにもいかない。
とはいえ、このまま逃げたら
蔵場を捕まえるチャンスは二度と来ない。
どうすればいいのだろう……。
そうこうしているうちに敵に囲まれてしまった
膝を抑える副長の足からは
血がとめどなく流れている。
こんなとき、銀時ならどうしただろうか。