第6章 ミツバ編(原作沿い)
ふと、その銀髪を思い出した直後、
急にコンテナが爆発する。
あれは、俺が仕掛けたやつじゃない。
いったい誰が?
「いけェェエエエエ!」
聞き覚えのある掛け声、あれは
「し、真選組だぁぁあああ!」
敵が俺達からの意識が外れる。
その隙に蔵場がコンテナの裏に
隠れたのが俺には見えた。
「副長、こっちです!」
「………神崎!?」
「蔵場が逃げます。早く!」
俺は副長を庇いながら、裏道に入り込んだ。
副長に肩をかしてズリズリと進むと、
敵の声が聞こえた。
「待てぇぇえ!」
しまった、追手が来る。
副長が苦笑いして、足を止めた。
「神崎、先に行け。」
「何言ってるんですか…副長…。」
自分が足でまといになっている事を
気にしているのだろう。
俺はポケットの中に潜めていた注射器を
手に取り、副長の右膝に打つ。
「失礼します。」
「ーーーッ!!?」
突然のことに驚いた副長だが、
注射の痛みはないようで、
ただ注射器の中身が無くなっていくのを
見ていた。
「痛み止めです。即効性がありますが、
効果は1時間だけです。道順は通信機で
説明しますから、言う通り進んでください。」
注射器を抜くまでの間に
早口で説明すると、副長も
「……あぁ。」と頷いた。
言っている間に薬が効いてきたようで
副長の右足はもう引きずっていなかった。
「いたぞ!ここだ!!!」
敵が俺達に向かってくる。
俺は刀を奴等に向けて構えた。
「行ってください。時間がありません。」
「…ありがと、な。」
副長は、俺を背にして走り出した。