第5章 キャバクラ編(原作沿い)
また別の日。
真選組での仕事が終わり家に帰ると、
玄関で若と東城に会った。
「澪、おかえり。」
「あ、若。どうしたの?これからお出かけ?」
「あぁ。妙ちゃんに差し入れをと思ってな。
…そうだ。澪も来てくれないか?」
「…了解。荷物だけ部屋に置いてくるから、
先行ってて。」
「分かった。」
若がのんびりしていた所を見ると
今日も柳生家は異常無かったみたいだ。
若が差し入れというのは、
やはりスナックすまいるだろうか。
差し入れはもう買ってあるらしく、
手提げ袋にせんべいを持っていた。
……なんだか、少し嫌な予感。
何故だろう。何か忘れている気がする。
若がスナックすまいるの門をくぐる。
……お店が少し閑散としている。
最近風邪がキャバクラに蔓延してるという
噂を聞くが、妙さんは大丈夫だろうか。
「よし行こう。」
スナックすまいるの門をくぐった。
ここの門をくぐるのは妙さんと
若の再会以来だな。
「あの 妙ちゃんはおられるか?
差し入れを……」
「…あれ?銀時だ。」
銀時達と妙ちゃんが座っている。
何やら話し合いをしていたみたいだけど…
一体なんだろうか?
「……あの」
「ちょっと何がなんだか………」
「キャアアアア!!
九ちゃんカワイイ!!
澪子ちゃんもカワイイ!!」
差し入れを受け取ってもらった直後、
別室に移されて
何故かそのまま着替えさせられてしまった。
若も丈の短い着物を着て、
ニーハイを履いている。
若者の夢と希望だ。
女物の服に身を包み、妙さんのメイクをした
俺はどこからどう見ても女だ。
「ちょっと、これどういう事!?
若はともかく、なんで俺女装してんの!!」
「澪子さん……いえ、澪子ちゃんやっぱり
一流の忍者なだけあって
なんでも似合っちゃうのね。
今度一緒に服買いに行きましょう。」
まぁ、忍者として女に化けて
潜入する事もあるから慣れているのだが、
なんでも似合ってしまうのは、
この中性的な顔が原因だろう。
忍者的にはこの顔が良かったが、
できたらもっと、カッコイイ顔が良かったな。
…というか、妙さんと一緒に買い物に行ったら
確実に女装される…それだけは避けたい。