第4章 再就職編
(澪視点)
真選組に入って一週間ほど経った頃。
「銀時ーっ!あっそっぼーーー!!」
ガラガラと勝手に万事屋銀ちゃんの
引き戸を開けて、リビングに入る。
「あ!澪アル!!」
テレビを見ていた神楽がわーい、と
走ってきて俺に抱きつく。
「おー神楽!今日も可愛いなーよしよし」
頭を撫でるとニヒヒと神楽は笑った。
撫でながら部屋の中を見渡すといつもの風景だ
新八は新聞を読んでいて、
銀時は反対側のソファーで寝転んでいる。
「ったくうっせーな。
もうちょっと静かに出来ねーのか。」
はぁ、とため息をついて俺の方を見る銀時。
顔は心底嫌そうだが、
口元は心なしか緩んでいる。
「とか言いつつ、銀さん嬉しそうですよね。」
「そうアル。銀ちゃん澪来ないと
いつもガッカリしてるネ。」
「あ?んなわけねーよ。仕事もねーしよ。
今月の家賃どーすんだ。」
「言っておきますが今月の家賃どころか
3ヶ月滞納してますからね。
そろそろ払わないとお登勢さんに
殺されますよ。」
「へぇー。銀時大変だね。うんうん。」
「………澪さんはいいですね。
家賃も生活費も払ってないんでしょう?」
新八が恨めしそうに言う。
確かに、柳生家に転がり込んでから
1度もお金を払ったことは無い。
それは、柳生家の職を失った今でもだ。
「そうだね。まぁ、就職したし、
少しはお金入れようと思ってるけど…
敏木斎様が受け取ってくれるかは別かな。」
「え、澪ニート辞めたアルか?」
俺にぎゅうぎゅう抱き着いていた神楽が
寂しそうな顔をする。
「うん。これからはあんまり遊びに
来れなくなるかな。」
職を辞めた2週間ちょっとの間、
ずっと暇だった俺は
万事屋に入り浸って仕事手伝ったり
神楽達と遊んだりしていたのだが
それももう終わってしまう。
「そうですか…。」
新八や神楽がしんみりする中、
銀時はヒラヒラと手を振った。
「いーじゃねーか。会えなくなった
わけじゃねーし。」
「まぁね!また、会いに来るよ。俺。」
俺がにこりと笑うと新八も頷いた。
「それもそうですね。
…で、どこに決まったんです?仕事。」
「ああ、実はね、超意外なんだけど………」
「しん………」