第4章 再就職編
「へえー、6歳まで忍者見習いで、その後
寺子屋にちょっと通って………」
近藤さんが履歴書を順番に読み上げる。
「ん?」
問題はその下だ。
俺も総悟も目を見張る。
職歴は見ていたが、まさか……
「あ、実は俺、元攘夷志士なんですよォ。」
そこには『攘夷戦争参加』と書かれていた。
いきなりの爆弾発言に場の空気は
一気に重くなる。
全員の視線が、神崎をブチ抜いた。
「オイ…ここがどこか分かってんのか?
俺達ァ真選組だぜ?攘夷志士がどうなるか…
分かってんのか?コラ。」
「まぁ、そのくらいは分かってるってェー。
それに、元って言ってるでしょ?」
「そうだぜ土方ァ、あんまり興奮すんなってェ
それに、元攘夷志士ってのも
忍者の行儀かもしれねェだろォ??」
だからどんな行儀だってんだよ…
「おじさんは別に昔の事とか気にしないから。そんな昔の未練をタラタラタラタラ
引き摺ってんのはこの瞳孔開いた
クソヤローだけだから、
安心していいからね、澪ちゃん。」
「は、はぁ………」
席を立ち、肩をポンポンと叩き
神崎を落ち着かせるとっつぁん。
「いや良くねェ!!ぜんっぜん良くねぇよ!
元攘夷志士…詳しく説明しやがれ。」
「…いやァ土方さん、昔のガムを
いつまでもいつまでもクチャクチャ
噛むのは良くねぇですぜ?」
総悟も立ち上がり、神崎の隣で髪を掻きあげる
「…新しいガム、噛んでみない?」
「カタナ」
「サムライ」
「死ね土方」
「WithS(真選組)」
「ブル〇ンちえみィィィ!!」
近藤さんが立ち上がり机を叩く。
「ちえみ?ちげぇな。俺は
ブルゾンそうごでさァ。」
「ずるい!ブルゾンいさおも入れて!」
「残念だが近藤、人数オーバーだな。
withSは2人って決まってんだよ。」
「えええぇええっ俺だけ仲間外れ!!?」
「…………はぁ。」
涙目でwithSに訴える近藤さんから
目を逸らし、頭を抱えた。
「…総悟、とっつぁん、席に戻ってくれ。
話が進まんだろ。」
「あぁん?お前が未練タラタラだから
やってんだろぉ?」
「そうですぜィ。いい加減ガムが
喉にひっついて……」
「死ね」
「土方」
「withS」
「いいから戻れやコラ」