第4章 再就職編
(土方視点)
トントン、とノックの音がする。
「ふぅ………」
ため息をついて次の履歴書を見る。
これで面接者は7人目だ。
そろそろ疲れてきた間合いである。
「ん?」
…………履歴書のこの顔……
どっかで見た事あるような気が…
「入れィ」
とっつぁんが煙草の煙をもくもくさせて
机の上に足を組む。
あー俺も煙草吸いてェ……
そう思っていると障子がメキメキと音を立てる
「しっつれェーしまァーーす!」
足で障子を踏み倒して入ってきやがったのは
お団子頭の忍者だった。
結んであっても長い髪は女にも見えるが、
声は完全に男である。
「って、ちょっとォォ!!?
障子踏んでますけどォォオ!?」
近藤さんが隣で大声を出し立ち上がる。
奴の足に敷かれている障子はビリビリに
破れていてもう使い物にならない。
「あ、さーせん。
家は天井か軒下からしか入ったことないから…
障子の開け方慣れてなくてェ。」
「あーそうですか、
…ってなるかァァア!!!」
近藤さんの罵声(悲鳴とも言う)が響く。
「いやほんとさーせん。
田舎モンなんで。」
アハハ、と頭を掻いて席につく男。
どうやら頭のネジが何本か飛んでるらしい。