第4章 再就職編
「新八。コイツは確かに有能な忍者だ。
でも、仕事以外ではただのアホだから。」
「は……はぁ………」
新八君が気の抜けた返事をする。
でも、銀時の言う通り、俺は
天と地の差の如く、onoffの激しい忍者だ。
仕事、となると、お金をもらう事になる。
ちゃんとお金になるような仕事ぶりでないと
忍者として失格だ。
オフの日はダラダラしていることも多いが、
仕事はしっかり行おうと心掛けている。
「ワフン」
突然頭上から声がして、
急に視界が暗くなる。
なんだか温かいものに包まれたような………
「こら!定春駄目アルよ!
こんなアホでも銀ちゃんの友達アル!!」
夜兎族の声がくぐもって聴こえてきて、
ああ、犬に頭を噛み付かれたのかと
後から納得する。
俺は犬にマミられた状態となっており、
犬の口内はなんともいえない温もりと
匂いが漂っている。
「グルルル」
犬の唸り声が口内に響いた後、
ゆっくりと視界が明るくなる。
夜兎族に言われたからか、
犬が口を開けたらしい。
口内から解放されて周りを見渡すと、
銀時と目が合った。
「犬の口の中って結構暖かいんだな。」
「アホか。」
俺がふわりと笑うと、すぐに
ジャンプをまた読み始める。
その姿を見て、俺も銀時の家に
何をしに来たかを思い出した。