• テキストサイズ

【銀魂】柳生家の忍者【男主 原作沿い】

第23章 初心編









「はぁ………はぁ……おわ、った………。」


最後の1人を斬り終わり、
俺は頭を上げた。
時刻はすっかり暮れていて、
太陽が沈んでいく頃だった。



「…………大丈夫か?」


「ああ。………サンキュ。」


同じく息が上がっている服部に声をかけると、
ヘラヘラと手を振った。


大きな怪我はしていないらしい。


………良かった、と深くため息をつく。





「あ、そうだ。若!!」

そういえば、若に怪我はなかっただろうか。
俺が慌てて若を呼ぶと、若は首を傾げていた。


「……ああ…澪。
真っ赤じゃないか。大丈夫なのか?」

「平気。忍者刀使ったから、
たくさん返り血浴びただけだよ。」


本当は、不意打ちされた箇所が痛むのだが、
それは黙っておくことにする。


「それより若は?怪我はない?」


「ああ。無事さ。傷一つない。」

「……そっか。良かった………。」


一応目視でも確認するが、
確かに怪我は無いようだ。
若の白い着物は汚れていなくて、ホッとした。
東城も諦めたように俺を見て、息を吐いた。
どうやら、若の押しに負けたらしい。



その時、後ろからガサリ、と草陰がする。


「ーーーー!」


敵かと思って振り返ると、
カメラを持った忍者服の男が
そこから逃げていくのが見えた。


「なんだアイツ…追え!」

副長の声が響き、
数人の隊士が駆け出そうとする。






「副長!大丈夫です。…逃がしてください。」



それを俺が止めた。
隊士達も俺の声に足を止める。




「…………チッ…。」


副長は眉間にシワを寄せる中、
黒い人影は木を伝って逃げていった。


フゥ、と煙草に火をつけた副長が白い息を吐く。





「……いいのかよ。」


「ええ。あれは敵じゃないですから。」


俺がそう言うと、服部がぼんやりと
黒い影を目で追う。


「ありゃあ、春冬の記者だな。」

「うん。カメラ持ってたし、撮られたかも。」


/ 494ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp