第4章 再就職編
僕がゴシゴシと袖で顔を擦ると
「………………はぁ。」
澪がため息をついて立ち上がった。
もしかして、僕の想いは
通じなかったのだろうか。
呆れられてしまったのだろうか。
「目、擦るのやめろよ…赤くなる。」
擦っていた手を掴んで剥がさせられる。
「…グスッ……澪…」
澪を目の前にして、また涙が零れた。
「…俺の負けだ。分かったよ。」
澪がぼくの涙を優しく拭う。
「え……?」
「辞表、取り下げる。破門の要求も、無しだ。
……酷い事言ってごめんね。」
困ったように眉を下げて笑う澪に
また涙がこぼれ落ちる。
「うっ…澪……澪……ッ……」
「はぁ、よしよし。」
澪は優しく僕を抱き寄せて、
僕の涙が止まるまでずっとそうしていてくれた