第23章 初心編
「あー……。」
トラップに引っかかっていた死体を置いたまま
入口の重い扉を開けると、
服部がため息をついた。
「思ったより出迎え多くね?」
「……………。」
服部の言い草は最もだった。
業界総出とはいえ、
派遣会社1つの忍者全員掻き集めたとして、
まぁ頑張っても30人でしょと思ってたんだけど。
「やっと顔を出しやがったな…神崎……!」
「先代が犯した罪を償ってもらおうじゃねぇか…」
「…神崎…貴様の首を貰って、
賞金を手にしてやる…」
「神崎家、借りを返す覚悟しておけ!」
ざっと7〜80人くらいだろうか。
それぞれの勝手な言い分を俺にぶつけてくる。
バラバラに声を上げる所を見ると、
皆、組織ではないようだ。
組織を相手にして80人程度なら大したことは無いが
個々で、しかも皆忍者ばかり。
分かってはいたものの…ここまでとは。
「どんだけ恨み買ってんだよ…ったく。」
「いやぁ…俺じゃない恨みもありそうだけど。」
特に賞金狙ってる奴とか。
恨みと言うより、金目当てじゃん。