第23章 初心編
「ーーーーらぁっ!!」
俺は力任せに刀を振った。
俺はたまたま神崎家に生まれた。
父親の次に当主になる予定だったってだけなのに。
何故こんなに嫌われなければならないんだ。
「ーーーッ!!」
俺だって、神崎家に
生まれたかったわけじゃない。
暗殺をしたかったわけじゃない。
家族を殺したかったわけじゃない。
「……はぁ、はぁ………ッ。」
ただ、その時は……
そうするしか、無かっただけなんだ。
「ーーーー!!」
今だったら、どれほど自分が愚かか、
どれほど自分が異常だったかが分かる。
今それを知っても…
過去を塗り替えることは出来ない。
それでも、俺は生きた。
明るい場所を教えてくれた、先生のために。
明るい場所にいたいと思った、自分のために。
「……………殺してやる……!!」
でもそれも、今となってはどうでもよかった。
俺はもう、疲れてしまった。
神崎家を、隠し通すことに。
「ーーーー!」
真選組も、柳生家も、万事屋の皆が
俺の事を知ってしまって…ショックだった。
俺の事をどう思ったかなんて、
分からないし…怖くて、聞きたくない。
だからもう、皆に会うつもりはなかった。
このまま闇に溶ける、その前に。
奴等を全員殺してやる。
俺は…もう、暗殺者でいい。
全員………殺してやる。