第22章 帰宅編
「だかな、さっちゃん。
神崎家がなくなったのはもう随分前の事だ。
その時、澪ちゃんはいくつだ?」
「……年数から考えて……おそらく、7歳くらい。」
「はぁ?んなガキが、
家族全員殺せるわけねェだろ。」
俺がそう言うと、とっつぁんも頷いた。
「俺もそこが気になってな。
本当に奴が全部仕組んだのか…。
それとも、裏で仕組んだやつがいるのかをな。」
確かに、7歳のガキが
家族全員殺したとは思えない。
しかも、書類を燃やして回るなんてこと…
「いいえ、彼ならやるわ。」
猿飛は俺ととっつぁんの間に割って入った。
「だって彼は、
子どもの頃から動物を何匹も殺していて、
5歳で自分の寺子屋の先生を殺し、
その奥さんまで殺したのよ?」
「あれは…生まれながらの殺人鬼よ。」
彼女の瞳には、憎しみが篭っていた。