第22章 帰宅編
副長は俺の首の傷跡を見て目を細めた後、
刀を納めた。
「…………その傷は、偽物じゃないらしいな。」
「…………。」
俺は刀が自分の首から離れたのを確認して、
首の包帯を巻き直した。
1ヶ月監禁されていた俺の首と手首には
赤黒い痣が残っている。
それだけじゃない。
体のあちこちにもまだ痣が残っていた。
晋助の所で休養期間があったとはいえ、
栄養不足もあり傷の治りに
時間がかかっているようで。
もうしばらく、この痣とは
付き合っていかなければならないようだ。
「………今日はそれで納得してやる。
だが、その闇市の証拠が出るまでは、
俺の刀がその首元にあると思っておけ。」
副長は俺の首の包帯を睨みながら、そう言った。
「ええ、分かってます。」
俺はその言葉にこくりと頷いた。
というか、闇市の写真があったとしても
副長は納得いかないだろう。
「闇市、調べるつもりなんですか?」
「………まぁな。テメェを白黒つけさせるためだ。
調べさせてもらう。」
「それは構いませんが……。」
俺はそれに保険をかけることにした。
これは万が一……何かあった時のため。
「闇市を調べるのは、真選組では無理ですよ。」
俺がそう言うと、副長の瞳孔がさらに開いた。