第22章 帰宅編
「………………。」
ただ、神威に攫われていたという点を除けば、
俺は旧友…もとい攘夷志士と会っていた。
傍から見れば、
俺が情報を流しているように見えるだろう。
「答えろ、澪。
奴等と関わってるんだろ?あ"?」
副長はギロリと俺に目を向けた。
瞳孔は開ききっていて、
俺の顔を穴が空くほど睨みつけている。
まるで獲物を見つけた獰猛なライオンのようだ。
ただ、副長はふっかけてきているはずだ。
副長の性格上、そうすぐに本心を言うわけない。
「それ…は………。」
それを分かっていながらも
俺は思わず言葉を濁した。
別に、しらばっくれれば良いだけのはずなのに。
その隙を副長が逃すはずもなく、
刀を抜いて俺の首元に当てた。
「言い訳次第では、斬る。」
「……………。」
「どうなんだ。ハッキリ言いやがれ。」
副長の刀が軽く俺の首を掠めて、
俺の首の包帯にじわりと血が滲んだ。