第22章 帰宅編
「あの…えっと。副長。その……」
「あァ?そこに置いとけって言ってんだろ。」
それに、総悟は未だ澪の事で
納得していない。
正直、澪が攘夷志士だという尻尾を
掴めていない以上、詮索は不要だと感じた。
澪がどこの家の出身だろうが、
真選組にゃあ関係のない話だ。
だが、総悟はそうでないと言い張っていた。
澪がいた時期と同じくらいに江戸にいた、
宇宙海賊春雨にけしかけた方がいいと
頬を膨らませて近藤さんに詰め寄っているのを
よく見かける。
近藤さんも俺もそれを了承しないことが
心底腹が立つようで、
書類も全部何もかも投げつけてきやがる。
ったく、餓鬼かアイツは。
………いや、餓鬼だった。まだ10代の。
「………は、はい。
お忙しいところ…失礼…しました。」
先程俺の自室に入り、
おずおずと入ってきた隊士は
俺の書類の山を見て、申し訳なさそうに言った。
「分かってんならとっとと出てけ。」
忙しいに決まってんだろ。
見ろよこの書類の山。
やってもやっても無くならねぇ不思議な山なんだよ。