第22章 帰宅編
(土方視点)
「副長、この書類って…。」
「ああ…後でやる。置いといてくれ。」
「土方さん、これはどう書くのか忘れやした。
置いといきやすね。」
「…チッ。たまには自分でやれ、総悟。」
「トシー、これもなんだけど。」
「近藤さん、その辺に積んどいてくれ。
時間見つけてやるから。」
澪がいなくなってから2ヶ月。
澪の分の仕事と、
澪が強制的にやらせていた総悟の仕事と
近藤さんの仕事が置き去りになり、
それから他の野郎共も澪の監視の目が
無くなったことで資料や書類に
手を抜いていた。
澪がいなくなったと聞いた時、
こうなることは分かっていた……。
そのやらなくなった分の全てが俺のところに
回ってくるということをな!
「………あの。」
「あー分かった。置いとけ。あとで見る。」
ったく、書類は捌いても捌いても増える一方だ。
澪も仮に1度局長になった身。
局長補佐に戻った後も、
ある程度発言力があったのは感じていた。
澪は俺みてぇに
拳で分からせるタイプではないが、
何かと仕事に厳しい奴だ。
もし何かやらかすと、即座に終の縄が飛んでくる。
それに怯えて、書類をしっかり出していた
野郎も多かったようだ。
それが、澪がいなくなった瞬間、
全てパーだ。