第22章 帰宅編
「澪。他に挨拶する者もおるだろう。
早く行ってやりなさい。」
「お気遣い感謝します。」
「………。」
輿矩様の言葉に、若はむすり、と黙ってしまった。
俺への怒りはまだ収まってないらしい。
輿矩様は俺の答えに満足したのか、
部屋から出ていく。
どうやら、仕事の途中に顔を出しただけのようだ。
「…………澪、
また帰ってから続きを話すからな。」
「…へい。覚悟しときます。」
はぁ…。帰ったらまた聞かされるわけか。
立ち上がろうとしても足が痺れて立てない。
俺は足をさすりながら、机に手をついて立ち上がる。
「……………いててて。」
俺、これ以上若に叱られたら、
足がもたないかも……。