第22章 帰宅編
「…………ご心配、おかけしました。」
「無事に帰ってきたのならそれで良い。」
「………。」
場所変わって、道場の奥の広間。
俺と、柳生四天王…そして、敏木斎様が
座って話をしていた。
俺が改めて敏木斎様に頭を下げると、
もう良い、と首を振られた。
「それより、澪。
髪は…切ってしまったのですか?」
「ん?……うん。」
東城が女中に出された茶菓子をつまみながら
むすりと口をとがらせた。
俺の髪は肩につくかつかないかくらいに
なっていた。
自分で無造作に切ってからそのままなので、
晋助によると、右が短くて左が長いらしい。
そりゃあ、サバイバルナイフで
引き千切ったのだから当然だ。
「…………なんていうか、イメチェン…的な。」
俺がそう言うと、
するり、と背中に手が伸びる。
「………………ッ」
俺が思わず振り向くと、
顔面男性器こと南戸が俺の髪を触っていた。
「あ、わりぃ。下手な床屋だなと思ってな。」
「………ああ、そ、そう?」
思わず、目が泳いだ。
触られた瞬間、一瞬、神威が頭をよぎったのだ。
何故か、どこかにいるような…気がして。
いや、いるわけないか。
俺はぶるぶると首を振った。