第21章 鬼兵隊編
「……………その手を離せ、高杉。」
晋助が震える声で何か言いかけた所で、
ガチャリ、と重い金属音がして、
後ろから強い殺気を感じた。
…………聞き覚えのある声だった。
「………澪を離せっつってんのが
聞こえねェのか。」
その重く苦しい、唸るような声に振り向くと、
銀時が晋助に刀を向けていた。
「銀時!!!」
俺は晋助の手を振りほどいて、
銀時に思い切り抱きついた。
ああ、銀時だ。本物だ。
夢じゃない。
カランカラン、と刀が落ちて、
銀時は安堵の溜息を零した。
「……澪。」
抱きついた俺の背中に手を回して、
銀時は俺を強く抱き締めた。
ああ、暖かい。銀時の甘い香りが俺を包む。
久しぶりで、本当に安心した。
先週まで、どう話そうか
悩んでいた自分が嘘のようだ。
「…………ククッ」
それを見た晋助が密かに笑う。
「………本当にてめェは俺の邪魔をしやがる。」
そういった晋助の瞳はぐらぐらと揺らいでいた。