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【銀魂】柳生家の忍者【男主 原作沿い】

第21章 鬼兵隊編







「錨を下ろすぞー!!」



ただ、時が経つのは早いもので。


あっという間に当日はやって来てしまった。




「………明るいね、京は。」

夜に到着したにも関わらず、
京は眩い光が揺らめいている。

江戸とは違って、高いビルやターミナルも無い、
古い建屋が並んでおり、趣があった。



「…………そうだな。」


俺と晋助は、部屋の外から京を眺めていた。
街の灯りを眺める俺に、晋助は俺の腰に手を回し、
優しく引き寄せていた。




…ふと、下を見ると物資が次々と
運び込まれているのが見えた。

もう、運搬は始まっているらしい。



「………それじゃ、約束だから。」


俺は意を決して別れを切り出した。

海風がびゅうと吹いて、
ここが海の上であることを思い出す。
俺はこれから2ヶ月ぶりに地上に降りる事になる。


「…………あァ。」

そう言いつつも、
晋助は俺の腰から手を離さなかった。
降りろと言い出したのは、晋助なのに。




「………あのね…晋助。
俺…晋助と旧友で良かったよ。」

「…………。」


「………指名手配犯でも、鬼兵隊に居ても、
晋助はやっぱり晋助で、安心した。」


「……俺は変わってねェよ。
今も昔も…な。」


「へへ…そうだね。
だから、ちょっと寂しいな。」


それは俺の本心だった。
だってここから降りたら、俺はまた、真選組だから。




晋助は小太郎よりも危険人物だ。
そう簡単に会うことは出来ない。


次会う時は、もしかして、
刀をぶつけ合う時かもしれないし。



「………晋助は?寂しい?」





「…………ッ。」



そう言うと、晋助の手に力が篭もる。
俺の着流しを震えるように掴んで、
晋助はぼそりと口を開いた。





「……俺は…澪が……。」





「……ずっと隣で笑っててくれりゃあ……
俺ァそれで………。」













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