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【銀魂】柳生家の忍者【男主 原作沿い】

第21章 鬼兵隊編




ーーーーその頃、鬼兵隊 高杉 自室。

(高杉視点)




「……………ごちそうさま。」



「…あァ。」



「もう食えないー。」




「寝んじゃねェ豚が。」




「それ…牛……。」





澪は少しずつ飯も食えるようになり、
点滴も打たなくなった。


やっと管から開放される、と
喜んで部屋の中をうろうろしていたが、
やがてそれも飽きたらしい。


部屋でゴロゴロしたり、
隅っこに座ったり、
三味線の弦を弾いたり。


相変わらず落ち着かない奴だ。


ただ、部屋を出るなと言ってあるので
動き回ると言っても、部屋の中だけである。

伊東の件で仲間を殺された輩も多いからだと
伝えると、澪は眉間に皺を寄せ頷いた。


澪が犬小屋なんて…
今でも信じられねェが。



ポロロン、ポロンと
澪が指で順番に
弦を弾いていく音が聞こえる。


「この〜木、なんの、木。気になる、木〜。」


何故その曲チョイスなのかは知らねェが
澪自身は弾いているつもりらしい。



「あべこべな音色でござるな。」


「だ〜れも知らない……………え?」


障子が開いたので振り返ると、
万斎が部屋に入ってきた。


「…………河上…万斎…。」


澪の手が止まり、
三味線を持ったまま後ろに下がる。

警戒した猫のようにずるずると
座ったまま壁を背にしゃがんだ。



「ここには来るなっつったろ。」



「明らかに晋助じゃない音色が聞こえたから
気になって来ただけでござる。」


「……………。」


澪はギラギラと
万斎に目を光らせている。
ただ、三味線を持つ手は震えていた。



「神崎澪…。
目に曇りが見えるでござる。
前会った時とは違う………」


「………く、もり?」



「例えるなら…恐怖。
天人に何かされたでござるか?」


「…………。」



その言葉に、澪は黙った。
万斎から目を逸らし、なんと回答すれば良いか
迷っている様子だ。


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