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【銀魂】柳生家の忍者【男主 原作沿い】

第21章 鬼兵隊編








敏木斎がそう言い終えると、九兵衛の顔が歪む。


「…おじい様は………澪を
見捨てるって言うんですか?」



「……………。」


「澪のことなんか…どうでもいいって…!」



九兵衛の問いに敏木斎は黙った。
黙っている敏木斎に九兵衛がさらに詰め寄る。




「帰ってこなくていいって、
思っているんですか!!」


「若!落ち着いてください。」


胸ぐらを掴もうとする九兵衛を、東城が慌てて止めた


「ーーーッ、触るな!」


九兵衛の片眼はぐらぐらと揺らいでいた。
力なく東城の手を振り払う。


「…………。」


そう言っても、敏木斎は沈黙を貫いている。
もう何を言っても無駄なようだった。


「………もういい。僕だけで探す。
おじい様が止めたって、僕は…諦めないぞ。」


九兵衛は声を震わせながら言った。
その震えの理由は祖父に対する怒りか…悲しみか。




「その通りだ。」



隣の近藤さんが立ち上がる。



「俺たちだって、
アンタの捜索願があろうがなかろうが、関係ないさ。
俺達は俺達の仲間として、澪を探す。」





さて、俺達もお暇するか。



………もうここに用は無いからな。


敏木斎の協力が得られない以上、
ここで澪の情報を得ることは出来ない。






「………じゃあな。」




俺が最後の煙草を吸い終えて
吸殻入れに入れる。
灰色の息が部屋を舞った。



俺達が立ち上がると同時に、
敏木斎が口を開いた。




「……待て。」



「なんだ。悪いが何を言われても、
引くつもりはないぞ。」


敏木斎は俯いていた顔を上げ、
出て行こうとする俺達を見てまた目を伏せた。






「……澪、すまん。」


小声でそう呟く声が聞こえた気がした。













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