第21章 鬼兵隊編
「………待っててって…どういう事アルか。」
手紙を一通り読んでから、
神楽が不審そうに呟いた。
澪の手紙を要約すると、
『自分の事を探すな、待っていろ』
と、書いてあるようだった。
「…………新八。これ、柳生家のとこに
持って行ってやれ。
あと、税金泥棒の所にもだ。
…………それが、澪の頼みだからな。」
俺は新八にその手紙を押し付けた。
「…捜索の依頼も終わりだ。」
新八は手紙を受け取ったものの、
納得していないようで眉をしかめた。
「銀さん……でも、」
「澪がそう望んでんだ。
そうしてやれ。澪の事だ。
どうせひょっこり戻ってくらぁ。」
「………ホントにいいアルか銀ちゃん。
澪…本当は助けて欲しいかも
しれないアル。」
「あの馬鹿がこんなメモ書きに
んな本心隠して手紙寄越すわけないだろ。
………少なくとも、酒を飲む
余裕はあるみてぇだしな。」
メモの端にところどころ染みた
酒の跡を見ながら呟いた。