第21章 鬼兵隊編
(銀時視点)
所変わって、
万事屋銀ちゃんの玄関先。
澪が高杉の場所にいるのではと
調査を進めていた頃。
きららが澪の手紙を持って、
万事屋銀ちゃんを訪れていた。
「…………澪さんからの、手紙?」
新八が目を丸くする。
「……は、はい。これが…その手紙で…。」
「……ちょっと、見せてくんない?」
「あっ、はい!勿論です!」
俺はきららの手から
手紙を受け取る。
手紙……とはいえないただのメモ用紙。
「……………。」
ただ、宛名には
俺の名前、そして手紙の主の所には
澪の名前が書かれている。
その字は、走り書きクシャクシャだし、
本当に澪のものかは分からない。
「………澪、」
だが、俺は無意識にメモを開いていた。
メモを開くと酒と煙草の匂いがする。
「銀さん、なんて書いてあるんですか?」
「あ、ズルいネ!アタシにも見せてヨ。」
新八と神楽が横から割り込んできたが
仕方がない。
俺はそのまま読み始めた。
『坂田 銀時様
急にいなくなって、ごめん。
……きっと、みんな心配してると思う。
でも、安心して。俺はちゃんと、生きてるよ。
………だから、俺の事、待ってて。
必ず、帰るから。
男同士の約束だ。
若や真選組のみんな…新八達にも、
よろしく伝えて。
頼んだよ。
神崎 澪』