第3章 過去編
「…おい澪。今まで何してたんだァ?
言わんと殺すからなァ。」
泣き止んだ晋助は物凄い強気だった。
半分ヤケクソだったのかもしれない。
真っ赤な目で鼻を啜りながら言う晋助は
とっても面白かったけど、言ったらもっと
酷いことされそうなので、言わなかった。
「わ、分かった。分かったよ。話すって。
…あのね、俺………」
全てを話す頃には晋助も本当に落ち着いていた
先程の殺気づいた晋助はおらず、
俺の話を冷静に聞いていた。
「…………そうか。テメェもテメェで
色々あったってか。」
「うん。俺も、今は死ななくて
良かったって思ってる。
柳生家の人達、とっても面白いから。」
「………………。」
敏木斎様はチビだしジジイだし、
若は世間知らずだし、
東城は若ラブだし…
皆キャラが濃くて、本当に面白い。
外に出ない時間は長かったけれど、
全く退屈することはなかった。
「そういえば、銀時や小太郎は元気?」
「…あ?あぁ。そうだな。
銀時はその辺フラフラしてるし、
ヅラはヅラでやってるみてぇだぜ。」
「そっか…。皆元気してるんだ。」
皆どこにいるんだろう。
また…会えるかな。
ふわふわと思い出に浸っていると、
晋助が口を開いた。
「……………なァ、澪。」
「ん?何、晋助。」
「飲みに行かねぇか。成人しただろ?
そろそろよ。」
姿を消してから5年。
16だった俺は21歳になった。
「うん!!俺ついにオトナだもんね!」
悪戯っ子のように笑うと、
晋助もにやりと笑った。
「ヅラと天パにはてめェの事は
俺が言っといてやる。」
「え?そうなの?サンキュー!
柳生家に会いに来てくれると
探す手間が省けるね。」
「それも伝えといてやる。
だから…会いに行くなよ。アイツらには。」
「…………え?どうして?晋助。」
「…いや………とにかくだ。
会いに行かなくても、来るだろ……多分よォ」