第20章 春雨編 (注:R18 本番なし)
「ヅラ、高杉が宇宙のどこにいるか
分かんねーのか。」
「ヅラじゃない桂だ。
そんな事無謀だぞ。
宇宙は地球の何倍も広い。
地球に帰ってくるのを待った方が得策だ。」
「…オイオイ、それまで指咥えて
待ってろってか?
澪が何されるか分かんねーんだぞ。」
「落ち着け、銀時。
澪が高杉の元にいるとは
まだ決まってない。
それまでに情報を集めるべきだ。」
「チッ………わぁーったよ。」
俺が仕方なくヅラの案に了承すると、
ヅラがため息をついた。
「…全く、お前はいつもそうだ。
澪が絡むとそうやって…」
「うるせーバカ。」
「バカじゃないヅラだ!
あっ、間違えた桂だ。」
本当は澪を今すぐにでも
連れ戻してやらなきゃいけねぇ、
でも情報が足りないのは確かだ。
ヅラが言ってるのが正論と
分かっていながらも
悪態をついてしまう自分を嘲笑う。
「とにかく、俺は高杉を探る。
お前は情報を集めておけ。」
そう言って呼び込みバイトに戻っていく
ヅラを見送る。
「また1からやり直しですね。」
「望むところアル!」
俺の複雑な気持ちを差し置いて、
新八も神楽もまっすぐ前を向いている。
澪はどこかに必ずいる、
そう信じているように。
「しゃーねぇし、行くか。」
…そうだ。
澪はそう簡単に死ぬ輩じゃねぇ。
絶対にどこかにいるはずだ。
俺達はまた、情報収集へと向かった。